ご挨拶　　代表取締役　吉田　憲治

建築士を目指してこの建設業界に身をおくことになって気がつけば早46年の歳月が流れ過ぎていました。 叉、今現在マンションの改修工事のコンサルタントに携わるようになって約17年が経過しました。

　建築士として長く一筋に建築関係の仕事に対峙してきて、この大規模修繕のコンサルタントについては特に、昨今思うことがあります。
それは、建築士、或は建設業界としての今までの在り方です。

　私も若いときは、建築設計士として良い建物を自らの手で設計し、良いものを建築主に提供したいと意気込んでいたものです。
改修や修繕にはほとんど興味もなく、まして魅力などぜんぜん感じられない世代でした。しかし、改修や修繕にはそんな若さでは、経験も浅く、とても対応すること自体難しい 事も事実だったと思います。

　昨今、数々の経験を積み重ねてこの年齢となり、マンションの改修工事のコンサルタントの仕事に携わるようになって、少し私自身の考えに変化が生じました。

　建設業界は当初、戦後復興の名の下にバブル期をはさんで現在まで建物を作るだけ造ってきましたが、メンテナンスに対しては、非常に業界自体が後ろ向きで、いわば造りっぱなしの感が否めません。
特に、マンションのようなものに対する建設業界は今まで、「腫れ物に触る」ように、なるべく修繕という工事には関知したくないといった感があります。それは建設業の体質も在りますが、それ以上に建設業はクレーム産業であることです。
補修ということは瑕疵に値することで、それを認めると全てを認め、会社自体の技術力や、信頼の損失につながることになる、というような「臭いものに蓋」的風潮が 業界内にあります。
その損失が計り知れない恐れと捉えられていた事こそが、一番大きい後ろ向きの理由かと思われます。

　その狭間で、この大規模修繕の工事にいち早く着手してきたのは、建設業界の中の大手ゼネコンでも、一般ゼネコンでもなく、塗装業界でした。
　この塗装業界が隙間産業である修繕工事をなぜ行うことになったかという理由は、建物の外装関係の劣化が素人目にも一番分かりやすく、大きなウエートをしめていた補修箇所が 塗装部分だったからです。
しかも、ゼネコンが先ほどの理由で、補修業務から手を引き、建築主からの外部補修の依頼があった場合、ほとんど塗装業界を斡旋してきたのが現実だったのです。
逆に言えば、ゼネコンは補修業務を、塗装業界に或る意味押し付けてきたとも言えます。

　しかし、此れで建設業界や建築士はいいのでしょうか?
　建物を造りっぱなしのままでなく、その後のメンテナンスを誰が責任を持って行うのか?

　私もこの建設業界の中に身を置く一人として常に疑問を持っておりましたが、今までの業界のこれらの姿勢は謙虚に反省し、今後これらに対する対応に積極的に関与すべきで、 私自身「対岸の火事」的に他人に任せておくわけには行かないと感じました。

　この度、ホームページの開設にあたり現状のマンションの改修について微力ですが一建築士として、今後の人生の最後を飾る仕事として マンション大規模修繕に寄与して行きたいと思います。

大規模修繕監理実績