2008年10月30日(木曜日) 中国新聞

白羽神社で衣装をまとい、日本刀の所作を確認する
左から長川さん、蔵本さん、巻郷さん

50年ぶり勇壮の舞
二日に美和の神楽保存会
若者3人に継承
 岩国市美和町二ツ野地区に古くから伝わる神楽舞「日本刀(にほんぎ)」が、約50年ぶりに復活する。11月2日、山代白羽神楽保存会が白羽神社秋祭りで披露。「伝統を守りたい」と、舞い手となる20、30代の三人が本番に向けけいこに打ち込んでいる。
 山代白羽神楽は県無形文化財で、メンバーは現在17人。24演目の舞があるが、過疎や高齢化で舞い手が確保できないなどの理由から、きちんと受け継がれているのは10演目。今回復活する「日本刀」は、2本の刀を持った3人一組が、刀を振りかざして舞う。
 舞い手は施設職員巻郷満さん(30)、保育士長川健二さん(26)、農業蔵本三四郎さん(21)。一年前、浅畑彪さん(75)らベテラン会員が記憶を頼りに「こんな舞もある」と三人に紹介。「この機会に舞わなかったら、誰も受け継がず消えていく」。三人は、二つ返事で挑戦を決めた。
 9月から、本番会場の白羽神社に集まり、けいこに励む。「とにかく低く前に」と浅畑さんが指示。三人は息を切らし、汗をにじませながら舞う。
 「ゼロからのスタートで難しいが、やりがいはある」と巻郷さん。浅畑さんは「若いもんがやる気になっとるのがうれしい」と後押しする。2日は午後10時ごろから朝方まで舞う。  (川村奈菜)