(やまたのおろち)

天照大御神の弟、須佐之男命は、数々の悪行により高天原を追われ、出雲の国に辿り着くと、
悲しみで途方に暮れている足名椎・手名椎・櫛名田比売に出会う。
理由を尋ねると、八つの頭を持つ遠呂智が毎年出現し、七人の娘がさらわれて、
残された最後の娘、櫛名田比売も遠呂智に奪われてしまうと語る。
須佐之男命は、櫛名田比売を嫁にもらうことを条件とし、
恐れや悲しみの根源である八岐乃遠呂智を退治する策を練る。
足名椎・手名椎に酒を用意させ、遠呂智が出てくるのを隠れ待つと、
やがて遠呂智現れ、酒を見つけこれを飲み干し、心地よく眠ってしまう。
この機をうかがっていた須佐之男命は、決闘を挑み、ついに遠呂智を討ち滅ぼす。
遠呂智の尾から出た天村雲宝剣【のちに草薙剣と呼ばれ三種の神器の一つとして熱田神宮に祀られている】を手に、
櫛名田比売と共に勝ち得た喜びの舞を舞いつつ、
足名椎・手名椎に別れを告げ、残った足名椎・手名椎も歓喜の舞を舞うという狂言舞である。

登場人数 7名
採物 
杖・輪鈴・剣・花火・煙幕・蛇
衣裳 古代衣裳・面