(2004/1/6) スタジオパークからこんにちは その5
「三谷さんがオダギリさんに『あの映画見て見て!』と(言うように)、結構映画がお好きだそうなんですけど、去年デビュー4年目にしてあの3大映画祭の1つカンヌ国際映画祭の赤ジュータンをお踏みになったんですよね?」
「そぉーなんですよ、ええ」
ここでも他人事のようにのんびり答えていたオダギリ氏は
「その時の映像からまずご覧頂きましょう。」
と上田アナに言われ
「えっ!映像があるんですか!?」と焦り顔。
<カンヌの赤ジュータンの懐かしいVTR 2003年5月>
慣れた足取りで歩いてくるのはポケットに手を入れてても全然嫌味じゃない藤竜也さんと浅野忠信さん両氏。一斉に向けられたカメラをゆっくり見まわすお二人には余裕と風格が漂っています。一方不安げに一度後ろを振り向いてからフワフワと歩き出したオダギリ氏。
あたりを珍しそうにキョロキョロする様は自分が見られているという意識はなさそうです。
精一杯とんがったファッションで身を固めたのに思い切り素が出てますぞ。
『アカルイミライ』の上演後、スタンディングオベーションを受け満面の笑みを見せる少年のようなオダギリ氏。
「この拍手は見に受けて気持ちよかったでしょう?」再び上田アナ。
「そうですね。ええ、すごい拍手を頂きまして。」
「20分続いてたっていう・・・。」
「20分が一瞬の間に感じました。」
まあー気持ちは分かりますよー。至福の時ってのは一瞬に感じるものです。
しかし気持ちは分かるが、他人への説明としては解りにくい。
「いや、違いました。間違いました。」
照れ隠しなのか天然なのか相変わらずの不明コメントに
「正直に仰ると?」とズバリ!ストレートな上田アナ。
見透かされてますよ。
「正直に仰ると・・・・・・・・相当嬉しかったです。」
伏せた顔を上げるとマジ顔なオダギリ氏。
「なんというんですか、カンヌ映画祭じゃないですか、世界中の映画が集まる。
その中で日本映画があれほど拍手を頂けるもんなんだぁと思うと日本人としても。」
ほら、シンプルな方が伝わるじゃないですか。
「内容的にもエンターテイメントの部分が少ないですし、世界的に受けるのかなぁみたいな部分があるじゃないですか。」
『正直に仰るオダギリ氏』は人が違ったように筋の通った話をすることが出来ます。
「演じられた役がなんかこう持て余している感じの青年の役で。」
予習をしたのね、上田アナ。
「外国にこんな解んのかなぁ・・・と。いや、微妙なね、その日本の若者代表みたいな役で理解していただけるのか、みたいな事があったんですけど、非常に拍手を頂きまして・・・」
・・・・・・・・・・しばし沈黙、考え中・・・・・・・・・・・・・・
「泣きそうになりましたね。」ともう一度目をあげたオダギリ氏。
いまは『映画に恋をする純朴少年のようなオダギリ氏』が人格の表面に出てきているようです。オダギリ氏の正直で素直な言葉を静かに受け止めるスタジオ。
スタジオの沈黙に恥ずかしくなったのかオダギリ氏、ん?と眉を上げて
「・・・・・もっと話した方がいいですか?」と途端に照れくさそう。
いえいえいえとハッとする両アナ。
ひょっとしてこのクセモノの豹変振りに驚いているのか?
分かった気になっては突き放され、かと思いきや人なつこく寄ってくるオダギリジョーという人物・・・。 このきまぐれな一人の青年に翻弄されながら模索する
両アナの試行錯誤はつづく!!
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