[新選組!!]「〜土方歳三最期の一日」

ああそうか。三谷さんの『新選組』はそうなんだと2年掛けてやっと分かりました。三谷さんの新選組は時流に逆行した頑迷な集団ではなく、いつも夢を持ってあきらめることなく前へ前へ進んだ、そういう集団だったんですね。自分の信念のために散ったことがカッコイイんじゃなく、自分の夢を叶えようと前を向いていたことがカッコイイんだと気付いた続編でした。

画面の中には土方さん(山本耕史)がいて、島田さん(照英)がいて、誠の旗があって、熱狂的に嵌って見た新選組が確かにそこにあったけど、一年前と全く同じ新選組ではなくて、榎本さん(片岡愛之助)に近藤さんを重ねて見ようとしたり、大鳥さん(吹越満)に物足りなさを感じるたびに山南さん(堺雅人)を思い出し、いろんな場面で京の新選組と蝦夷の新選組を比べてなんとなく寂しさを感じていました。土方さんや島田さんの感じる違和感をまるで一緒に体感しているようです。
昔と変わらないメンバーが画面に現れると、思わず「あぁ」と気持ちごと声に出てしまうほど一年前の新選組を強烈に請い、胸が痛くて仕方ありませんでした。同じ夢を持って同じ時間を過ごした昔の仲間やその時代から先に進めず、『死んでいった者達の敵討ち』と『自分を終わらす』為に戦う土方さんを見るのは、気持ち的にものすごく同調するけど、やはり一年前から後にも先にも進めない私がいました。

それが俄然心が躍り出し、展開に引き込まれていったのは土方さんが未来を見て自分が作ったカラを破ったところから。
新しい国を創る・・・という所詮は絵空事だと思っていたことが土方さんの本当の夢になったとき、どことなく一年前に固執していた私の気持ちも解放されてやっと新しい新選組を受け入れることができました。
結末は知っていても「どうなるんだろう」「どう攻めるんだろう」というわくわくする感じはメンバーは違っていても一年前に味わったあの高揚感と一緒でした。
だから近藤さんや土方さんの死、負け戦という結末であっても最後の最後まで夢は叶うと信じて前に進んだ三谷さんの新選組は、こんなに清々しく希望に溢れているんですねえ。
土方さんからバトンを受け取った市村鉄之助(池松壮亮)が駆けだした広い大地の先は多分現在。
『希望の国を創る』という夢のバトンはこれからもその時代の名もない若者達によって先の時代に受け継がれていくんでしょう。


でもって斎藤さん(オダギリジョー)!!!なんとお変わり無く!
うわ〜〜〜刀を捧げる手が斎藤さんだ!手を合わせる仕草が斎藤さんだ!
ひらひらと良く動くオダギリ氏の手ではなくレコード盤を撫でるようなトシの手でもなく、ちょっと無骨なオズオズとした手なんですよ。体の隅々まで、佇むその周りの空気まで斎藤さん。
いやほんとにスゴイですねえ役者って。